Cloud Native Days Tokyo 2019/OpenStack Days Tokyo 2019に参加しました #CNDT2019
Fringe81 エンジニアの森本です。 7/22(月)〜7/23(火)で開催された Cloud Native Days Tokyo 2019/OpenStack Days Tokyo 2019にエンジニアの遠山とともに参加してきました。
Cloud Native Days Tokyo 2019
昨年度までは Japan Container Daysという名称でコンテナ/クラウドネイティブ技術の日本最大級のカンファレンスでした。 今年はCloud Native Daysと名称を改め、またOpenStack Days Tokyoとの共同開催し、日本最大級のクラウドネイティブとオープンインフラストラクチャーの祭典となっています。
また総セッション数は2日間で100セッション近くもあり、またKubernetesやOpenStackのアップストリームトレーニングも開催され、クラウドネイティブ技術に関心を持っているエンジニアには必見のイベントとなっています。
以下にいくつかセッションの内容と感想を紹介致します。
転職したら Kubernetes だった件 / That Time I Changed Jobs as a Kubernetes.
ZLabの須田さん、大塚さん、 稲津さんのセッション。
入社したらKubernetesクラスタの一員として働くことになったという、奇想天外なストーリーを通して、普段kubeletやkube-contoroller等が裏側で実行してくれていることを人間が手で実行して理解するという内容でした。
普段、意識していない裏側の仕組みを知ることで、問題が発生した際のトラベルシューティング等に役立てることができる、とても有用なセッションです。
また非常にユーモラスなストーリー形式で説明して頂いたおかげで、難しい内容にも関わらず、最後までとても興味深く、楽しく聴くことができました。
Understanding Envoy
TetrateのTaiki Onoさんによるセッション。
Service Meshに必須のproxyであるEnvoyについて、そもそもEnvoyがなぜ必要とされているのかの背景から、Envoyの詳細、ユースケースの事例までを紹介していました。 このセッションを聴くだけで、Envoyについて、おおよその概要やメリット、ユースケースを掴めるのではないかという、Envoyをまだキャッチアップしていないエンジニアには、必見のセッションでした。
特にユースケースの事例紹介については、そもそも利用している企業がどのような目的、何を解決したくて導入したかまでを含めて、紹介して頂けたので、非常に分かりやすかったです。
私自身、全然Envoyについてキャッチアップできていないこともあり、聴くことができて、とても良かったと思えるセッションでした。
KubernetesでJVMアプリを動かすための実践的ノウハウ集 / JVM on Kubernetes
Oracleの早川博さんのセッションでした。
JVMはコンテナ技術との相性はよくない面がある、としつつも、エコシステムの大きさ故のメリットも大きく、使える物なら使っていきたい。ではどうすればk8sとJVMを上手く組み合わせて使えるのか?という発表でした。 ①ローカル開発、②ビルド、③デプロイ、④監視の順に、それぞれ推奨される方法や便利ツールを紹介いただきとても実践的な内容でした。 私的にはコンテナイメージサイズのダイエットの話が面白く、jarの依存関係をツールで導出した上で不要モジュールを削減しカスタムJREをビルドするという方法は知らなかったので、試してみたくなりました。
弊社ではサーバサイドにScalaを全面採用しているので、JFRなどの定番ツールは普段から利用していましたが、コンテナ周りの各種最適化についてもキャッチアップしていきたいと思いました。
歴史から紐解くLinuxカーネルのコンテナ機能
gihyoでも連載を持つ(LXCで学ぶコンテナ入門 -軽量仮想化環境を実現する技術:連載|gihyo.jp … 技術評論社)加藤泰文さんのセッションでした。
内容は2000年〜現在までのLinuxの進化のうち、コンテナ機能に関係するアップデートを振り返り、振り返りついでにデモをするという発表でした。 どのようにLinux側の機能を組み合わせて隔離されたリソースを生成するのかが視覚的にも分かりやすく、とても面白かったです。 他の聴衆の皆さんも食い入るように発表画面を見ていたのが印象的でした。
普段Dockerコマンドを使っている分にはこういったレイヤーの話は知らなくてもあまり困らないのですが、いつか線になる点としてとても重要な知識だと思います。
Actor Model meets the Kubernetes
非常に幸運なことにproposalを採択して頂き、発表する機会を頂きました。
内容はステートフルなアプリケーションが必要とされる背景から、構成する方法の説明、Kubernetesと連携した際のメリットの紹介となります。
当日はたくさんの方が聴きに来て頂き、本当にありがとうございました。
まとめ
セッション以外での取り組みで、とても興味深かったのは、なんといってもCloud Native Deep Diveではないでしょうか。クラウドネイティブ技術について、現場での試行錯誤や課題を自由に議論する取り組みで、誰でもホワイトボードに悩みを書くことができ、それに対して自由に回答や議論することができます。
人だかりができる程の盛況ぶりで、クラウドネイティブ技術のオープンさを体現するとても良い取り組みだと感じました。
今回初めて参加しましたが、クラウドネイティブ技術について、2日間で主要な技術のキャッチアップや各社の事例まで知ることができる、とても貴重な機会でした。 聴きたいセッションが多すぎて、悩んだ参加者も多かったのではないでしょうか? また参加登録者も1200人超を超え、セッションやスポンサーブースもとても盛況で、クラウドネイティブ技術の盛り上がりを大いに感じることができるイベントでした。
開催頂いたスタッフの皆様方、本当にありがとうございました。
次回は大阪での開催とのことで、こちらも必見のイベントですね!