Unipos engineer blog

Uniposの開発者ブログ

PyCon JP 2019に参加してきました

データ分析、及び機械学習の開発を行っている長谷川水谷です。
9/16(月)-9/17(火)に開催されたPyCon JP 2019に参加し、長谷川がライトニングトーク、水谷がポスターセッションで発表を行ってきました。

f:id:fringeneer:20190919150129j:plain

PyCon JPとは

PyCon JPはPythonに関する日本最大級のカンファレンスです。普段業務や趣味でPythonを使用する人々が集まり、さまざまな分野での活用方法や知見を交換し、交流する集まりです。
今年のテーマは「Python New Era」。令和になって初のカンファレンスであることと、来年でPython2のサポートが終了することから、時代の移り変わりを反映したテーマになっております。

各自の発表内容

長谷川は、CfPが無事通り、エンディング前に行なうライトニングトークの一つとして、登壇してきました。

f:id:fringeneer:20190919144400j:plain

発表のテーマは「Pythonで、処理をより効率化するためのTips集」で、普段業務で行っている広告配信の機械学習システムをより効率化するための方法についてです。

水谷は「VS codeとPyrightで始める型のある生活」と題してポスターセッションで参加させていただきました。

f:id:fringeneer:20190919150812j:plain:w400

当日見に来ていただいた方ありがとうございました。たくさんディスカッションもできてとても楽しく、タメになりました。
型について気になっている方は一定数いるんだなぁということを感じることができて嬉しかったのと、Type Hintに関して触れているセッションなどもいくつかあったのでPython2系のサポートが終わったらこの分野も盛り上がっていきそうだなという感触を得ました。

興味深かった発表

2日間で多くのセッションがありました。
そのなかで長谷川と水谷が特に気になったセッションをいくつか紹介させていただきます。

PythonとAutoML

サイバーエージェントAI Labの芝田将さんのセッション

www.slideshare.net

Cloud AutoMLなど、知見がなくとも機械学習モデルの構築が行えるマネージドサービスが台頭してくる中で、誰でもある程度の精度のモデルを作るのが容易になっている反面、中身がブラックボックスになりがちなAutoMLの要素技術について、「パラメータ最適」、「特徴量作成(選択)」、「モデル選択」の観点に分け、応用されている技術や今ホットな話題について発表されてました。
技術ごとに、土台となっている理論、おすすめのライブラリ、ハマりどころについて非常にわかりやすく丁寧な内容で発表されており、多くの知見を得ることができました。

Pythonで始めてみよう関数型プログラミング

SQUEEZEの寺嶋 哲さんのセッション

寺嶋さんは、すごいHaskell本を原書で読む会を主催されており、発表では前提知識がなくとも、関数型言語の有用性がわかりやすく解説されていて、関数合成、パターンマッチ、モナドなどの代表的な機能に沿って、どのようなライブラリを使えばそれらの機能が実現できるのかについて発表されていました。
ライブラリごとの特性や簡単な使い方が理解できたので、実際に試してみて、もし有用な場合は、プロダクトに積極的に導入していきたいと思いました。

【基調講演】Pythonで切り開く新しい農業

www.youtube.com

2日目の基調講演で発表された小池誠さんの基調講演。
こちらの発表では組み込み系でPythonを採用した理由から始まり、きゅうりの出荷作業における農業と組み合わせたPythonの事例を紹介されていました。
講演の最後に話されていた「農業熟練者の技術をAIで保存して誰でもアクセスできるようになる世界」には胸が高鳴りました。

Pythonでの開発を効率的にすすめるためのツール設定

www.slideshare.net

aodagさんことAtsushi Odagiriさんのセッション。
できるだけツールの力を使ってつまらないミスを防ぐためのツールの導入方法について丁寧に発表されていました。
つまらないミスがなくなることでコードレビューの際にお互いに気持ちよく、深いコードレビューができるようしようという話にすごく共感しました。加えて、僕自身の発表がPyrightでの静的型チェックの話だったので、mypyを使った静的型チェックの話もとても興味深く聞かせていただきました。

チームメイトのためにdocstringを書こう!

www.slideshare.net

くーむさんのセッション。
docstringの書き方、3つの流派の紹介という基礎的なところから、docstringからドキュメントを生成する方法、チームにdocstringを書く文化を築かせるための工夫といった発展的なところまで発表されていました。
Type Hintとの併用の仕方とドキュメントの自動生成の部分は今後ぜひ採用したいと思いました。

感想

スピーカーとして参加した初めてのPyConはとても楽しく、自分が発表する題目に関してたくさんディスカッションすることができてとても有意義なものとなりました。
Pythonで開発するための便利なtipsを知ることでき、「これをチームに取り入れたい」と思えるものがたくさんありました。
また、Python〇〇でいろんな可能性や利便性が広がっているんだと強く思いました。
今回弊社から2名がスピーカーとして参加せていただきましたが、今後もPythonを頑張っていきたいと、さらに思うことができました。
最後にPyCon2019を運営してくさったスタッフの皆様方、本当にありがとうございました。